シャキ待ち天国 ~後編~【ショートストーリー】 - アナ速 ~FF14ダメ!ゼッタイ!~
2017/05/29

シャキ待ち天国 ~後編~【ショートストーリー】


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次の日、学校帰りのバスで遠藤さんに聞いてみる。
バスに揺られながら聞いた話はこうだった。

「ああ、柏木さんね。俺も何度か理由を聞いてみたけどね、あまり話したそうじゃないから深くは聞かなかったよ。
ただうちのおふくろが柏木さんと同年代で多少事情を知っててそれっぽい理由を話してくれたよ。」

「知らないだろうけど今から50年ぐらい前、学生運動ってのがあったんだ。
とは言ってももおじさんもまだ生まれて無かったんだけどね。
ほら学校で聞いたことあるだろ?ベトナム戦争のあたりの。
なんでもその時付き合ってた柏木さんの恋人が1人でその運動に参加するとか東京に行ったっきり音信普通になったらしくてね。
噂だと悪い奴らと付き合うようになって犯罪に巻き込まれて行方不明になったとか、運動の時事故で死んだとかまぁ当時はいろいろ好き勝手言われたらしいよ。」

「それでそれっきりってわけさ。柏木のばあさんも30半ばで今の旦那さん……おっと両方おなくなりになってるから今のっていうのは変か。とにかく旦那さんと結婚したらしいよ。当時としてはかなり晩婚だとかおふくろ言ってたな。」




夜お風呂の中で遠藤さんから聞いた情報をまとめて推理してみる。
正直正確な理由はわからないので推測するしかない。

1,柏木さんには50年ほど前今の旦那とは違う恋人がいた
2,その恋人は音信普通になり行方不明に
3,その後は旦那さんと結婚して今の家庭を築いた。




これだけだと何故郵便局のバス停で毎日夕方に待っていたのかさっぱりわからない。
ここからは推測というか当てずっぽうになるかもしれないが私なりに考える。

例えば昔付き合っていた恋人が毎日夕方にあのバス停に降りていたから、とかはどうだろう?
もしくは昔あそこで夕方に待ち合わせてたとか。
でも何かがしっくり来ない。
何の根拠も無い勘だが人生の終わりに1人の人間が取った行動の動機としては弱い気がしたのだ。

若かりし頃の甘い思い出の追体験、これはちょっと違う気がした。



……そうだ、もしかしたら夕方に恋人は旅立ったんじゃないかな?と仮説を立ててみる。

50年前、恋人さんは若かっただろうしそんなお金も無かったはず。
夜行バスとか夜に走る格安な電車で東京に向かったのかもしれない。
そうなると今と大して交通事情が変わっていないとしたらこの町を出るのは夕方ぐらいになるのかも。

そう、私は後悔が動機だったんじゃないかと思う。

50年前に柏木おばあちゃんは何か言い残した、やり残した事があったんじゃないだろうか?
恋人との別れの日、別れの瞬間に言えなかった言葉が。
私の想像だけど多分こんなことを伝えたかったんだと思う。


「私も一緒に連れて行って」



お風呂から上がり机の上に放置していたチケットに目がつく。

このまま待っていてもきっと何も変わらない。
今頑張らなきゃ遠い未来、私は今の私のことを軽蔑し後悔するかもしれない。


とりあえずメッセージ送ってみよう。
いろいろ文面考えるのはやめて今思っている言葉でストレートに誘う事にする。


伝えるメッセージは決まった。


「私を映画に連れてけ(*´Д`)ノ」


精一杯の勇気。送信をタップする時手が震える。
メッセージが流れるのを確認してやってしまった、というわずかな後悔すら浮かぶ。

でもこれでいい。私は何かがやってくるのを待つなんて嫌だ。
後悔もしたくはないから。

夕方の風が窓から入ってくる。
夏の臭いがした。きっと50年前と同じ臭い。


夏が、始まる。



















こんにちは。この小説何?と思った方のために説明を。
元々はFF14の問題点を何も知らない人でもわかるように何かに置き換えてストーリー形式で書いていくコンテンツです。今回のテーマはシャキ待ち天国、ようするにチャンスを逃すとシャきらないってことですね。

過去作品もすべて問題点から生まれています。
良いところに注目して書こうと思ったのですがいくら考えても無かったのでそれは他の方に任せます。

ではでは。良い一日を。
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コメント

非公開コメント

何この甘酸っぱい小説は
FF14は出会い厨ばっかりで腐ってるというのに

普通に感心した

あと
>「私を映画に連れてけ(*´Д`)ノ」
これかわいい

イイハナシダナー
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