高橋悟 45歳の恋 ~前編~ - アナ速 ~FF14ダメ!ゼッタイ!~
2017/06/25

高橋悟 45歳の恋 ~前編~

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恋をした。だが少しだけ問題がある。私は45歳で彼女は11歳なのである。 


家に帰りいつものように愛用のドール「アルトリア」ちゃんのお手入れをしようと思うがどうにも気が乗らない。気晴らしのシルビアS15「鉄屑」でひとっ走りしようかとも思うがそれも違うような気がした。 

私の頭の中は近所に住む紗季ちゃんの事でいっぱいなのだ。
私はネットで45歳と11歳の恋愛が世間的に許されるものなのかを調べてみる。
だが思っていた通り世間体どころか法律すら許してくれないようだった。

昔の日本、江戸時代あたりでは11歳でも嫁入りすることがあったようだ。
私は何故この平成の時代に生まれて来たのか!と嘆く。

いや違う、生まれたのは昭和の40年代じゃないか、と1人で間違いを訂正しつつて自嘲気味に笑う。

「思えば誰にも愛されない人生だったな」

誰もいない部屋で一人呟く。 

はじめて好きになったサキちゃん……今ではどんな漢字で名前を書いたかも思い出せないが 。
最初に話しかけた頃は怯えたような目で私を見ていた。
その後私への反応が良くなったかと言えば真逆であった。
詳しい経過は大昔な事もあり覚えていないが、
最終的には彼女は私が近づくだけで涙目になり友達の元に逃げて行くようになった。 

小学校6年の夏、私は担任教師よりサキちゃんへの接近を禁じられて、私の初恋は終わった。 

その三年後中学三年生になった私が好きになったのは陸上部のマキちゃんだった。 
最初はピチピチのスパッツに惹かれて練習の様子を遠目から見ているだけだった。

人間は失敗をする生き物だ。だが失敗から学ぶ事で成長するのである 。

私から遠目から観察することに徹していた 。近づく事もできなかったが私は楽しい日々を過ごしていた。
そして一ヶ月ほど過ぎた頃だろうか 。
「おい高橋てめぇ何やってんだ?」 

ふと声をかけられて後ろを振り返るとヤンキーの吉田が後ろにたっていた。
チビの癖に喧嘩っぱやいやつで私は嫌いだった。

「俺の女ジロジロ見てんじゃねえぞ?あぁコラ?」 

吉田は仲間数人と私を囲み凄んでくる 
え?彼女?私は目の前に存在している危険よりもその一言が気になった 

……ああ、またか。 またこういう終わり方なのか。

校舎裏に連れてかれて激しく暴行を受けたが痛いとかそういうのよりも 
ただただ唐突に自分の恋が終わったショックだけが私を支配していた。

気づいたら全裸で土の上に倒れていた。
制服もズダズダにきりさかれている。

これが私の二度目の恋だった。



後日、親とともに暴行の事実を教師に伝えた。
吉田は停学になったが何故か私は教室内で完全に無視され以前よりも馬鹿にされ気味悪がられるようになった。

結局この扱いは高校を卒業するまで続くことになる。

私の三度目の恋は高校に入ってからエスカレートしたいじめを受ける日々の中 
ある日私を助けてくれた空手部のバキさんだった。
身長187cm体重110kgをの堂々とした体躯を誇る空手の達人で同姓愛者だった。

いろいろと思い出したく無い思い出があるので詳しくは語りたくない。
結果だけ言うと私と彼は同性愛の関係になった。
それはただ私の体だけを欲した何の愛情も無いただの性欲処理でしかなかった。


高校を卒業する頃には私は人を好きになることをやめた 。

私が人を好きになると私も傷つくし相手も不快にさせてしまう。 
客観的かつ合理的に考えると私はただ平穏に生きるために最低限の人間関係を構築すればいいのだとずっとそう考えていた。


45歳。

一言で言うとあまりにも簡単、受け入れるにはあまりにも重い事実。
ほそぼそと親が残してくれたあきるの市の草花畑で生計を立てて生きてはいる。
恋人はビックサイトのドールフェスタで買ったドールの「アルトリア」。 
そして友人は廃車置き場から貰ってきたシルビアS15だ。

その名は「鉄屑」 


自虐に聞こえるかもしれないがこいつも私と同じなのだ 。
世間から無視され忘れ去られ捨てられた、鉄くずと人間のクズ。
世界から不要とされた人間とモノ同士寄り添っていれば僅かながら心の平穏が得られるような気がしていた。 


私の人生はもうあとはただいつの日か終わるまでこうやって何も無く変化も無く過ぎていくのかと思っていた。

そんなある日。

あきる野市にある私の草花畑を愛車で見に行った時だ。
1人の少女が私の草花畑で遊んでいた。

白い柴犬と共に楽しげに遊ぶ少女。
美しく長い黒髪に白い肌。スラリとした手足。

その姿を見た瞬間に私は恋に落ちたんだと思う。


私に気づいた少女が慌てて謝る。

「あ、ごめんなさい!すぐ出ますね!」

私は少しの間目を奪われて何も言えないでいた。
不思議そうな顔でこちらを見る少女に気づき私は考える。

だが声が出ない。人間と喋るのも1週間ぶりぐらいじゃないだろうか?
こういう時になんて言えばいいのかそれすらも出てこない。


「な、名前は?」

必死にコミュケーションの基本を頭の中で検索しお互いに名乗る、という最も無難だと思われる方法を選択する。

少女は少しだけ不審そうな顔をしたが笑顔で答える。

「紗季です。白杉紗季です。その家に住んでます。」


少女が指差した先、ほんの20メートルほど先にお洒落な真新しい新築の家がある。
まるでオランダか北欧かどこかの建築様式で建てられたお洒落な家だった。

「そろそろ帰りますね。すいませんでした。」

とお辞儀して紗希ちゃんが家の方にかけていく。

え!もう帰るの!と思いまた何か言葉をかけようとおもう 
『また遊びにおいで』という言葉が思いついた頃にはもう少女は家までの短い道のりの半分を越えていた。


これが私、高橋悟45歳の30年ぶりの恋だった。

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コメント

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後編にはどんな底辺の仕事をして生計を立てているのかも絡めつつ、鉄屑になけなしの2000円で購入したパチ物のステアリングを得意気にひけらかして身バレした心温まるエピソードもお願いします。

No title

タイトルで麦茶吹いてバキさんで感動のあまり涙が出ちまったぜ
そういえばs15だったっけ、ハンドル2000円とか貧乏なくせに玉数少ない値段そこそこするs15買うとか良く分からんな、シルビア買うのにノンターボとかそんなオチなのかな?w
あの頃の2000㏄ノンターボなんて今のプリウスにすらぶっちぎられそうだけどもw

No title

思い返してみるとドール趣味の時点で業が深すぎてダメだった
ヤンキーの吉田の一言でまた笑いそうになった
でもサドル君のドールは駿河屋の中古品って言われた方がしっくり来る

No title

そういえばあなるせ同様、サドルも神ゲageドラクエsageをtwitterでしてたんだっけ。管理人さんの言うように同一人物ってのはありえるかもなあ。あのレベルのやつが何人もいて欲しくないし。

ピカーン!今度サドルが出たらエリアルさんの表を読み取って貰えばわかりますね!
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