新生村 ~その12 お風呂タイム 前半~ - アナ速 ~FF14ダメ!ゼッタイ!~
2017/08/02

新生村 ~その12 お風呂タイム 前半~

090a1ef2.jpg 

夕食を終えた後も慌ただしかった。
と言うのもお風呂に入れる時間が限定されているからである。
食事中に聞いた話だと一時間毎に男女の入浴時間が切り替わるシステムだ。
ただし、男45分、女60分、切り替え用の予備時間に15分というやや不平等な形なのだが。


そしてその最初の女の入浴時間がもう10分後に迫っている。
せっかくだからのんびりつかりたい。のんびりするにはすぐに行ったほうが良い。
特に全員で話し合ったわけではないが温泉に対する情熱は皆同じだったようで皆が部屋に戻り次第すぐにお風呂用のグッズや着替えだのを慌ただしく選別したり取り出したりする。

心美はお風呂用のバッグと着替えセットを小分けにしてすでに大きなトランクに内蔵していたらしく何やら得意げにバッグを取り出し「まだかね君たち?」みたいな顔をしている。

……妙に大きいけど何が入ってるんだろ。まぁいいや後でわかるし。

数分で用意は終わりお互いもう行きます?とか声をかけあう。

心美「それじゃ行きましょう。温泉にご~!」

何故か心美が仕切っている。あれそういうキャラだっけ?違うよね?
まぁ別にいいけど。浴場は一旦外に出ることになるので全員でFC入り口に向かう。

YAMA_DSC1935_TP_V2.jpg 

古い木造の武道場だかそんな感じの建物に「浴場」と書かれた紙が貼られている。
本来のこの建物の名称が書かれていたと思われる看板に墨で何か書かれているが暗くて文字が判別出来ない。もしここも文字が消えていれば明るくても読めるかどうか怪しい。

扉を開けると明らかに不自然なベニヤ板の壁が目の前にあった。
多分これは浴場に改装する時に追加したものだろう。
そのベニア板の壁に詳細な入浴スケジュールが記載された張り紙が貼ってあり「要確認」と大きな文字で注意書きもされている。

過去に間違えた人がいたのだろう。うん私も間違えそう。
全裸の男性の中に飛び込んでいく変態になるのは嫌なので気をつけようと心に誓う。


その壁というか板の後ろにまわるとすぐに目当ての温泉を発見した。

中の浴槽は意外にも広く3人どころか10人入っても快適そうだ。
四方にスダレがかけられているのが不思議でめくってみる。

……理由がわかった。壁のあちこちに亀裂があったり腐って一部が崩れ落ちていたり補修した跡があったりつぎはぎだった。

もしかしたらあえて直していないのかな?
湿気が外に逃げるので都合がいいんじゃないかな?

と、一瞬思ったが校舎がボロボロなままだったのを思い出して単なるコスト的な問題だろうな、と思い直す。

佐伯「結構建物は傷んでるねこれ。外からはそうは見えなかったけど。それに外から覗いたら見えちゃうんじゃないかな?」

佐伯さんが私と同じ疑問を口に出す。

「まぁいいんじゃない?時間分かれてるから男が近づいたら怪しまれるだろうし一応外から覗いても簡単には見えなさそうだし。見えたところで死ぬわけでもないし。」

楽しそうに笑っていた。舞さんはあまり細かいことを気にしない人みたいだった。
もっと細かいことを気にしない瑠衣はすでに全裸になり真水のシャワーの出だのを先に調べていた。
いつ脱いだかわからないぐらい早かった。というか脱衣場はどこだろう、と横を見てみるとが仕切りで軽く隔てられていてカゴが縱橫に合計9個収納された木製の収納のようなもの置いてあるスペースを見つけた。

あーこれ銭湯とかで見た事ある。

どうやらそこが脱衣場というか脱衣スペースらしかった。

まぁ確かに外から見えないし着替えや脱いだ服を置いておけるから機能としては十分かもしれないけれど。
すごく手作り感溢れる脱衣場だった。


いろいろ面倒なこだわりがある心美はもしかしたら不満なんじゃないどろうか?
そう思って心美を見てみるとどうもこの温泉は気に入ったようで満足そうな顔をしている。

明日香「あれ意外だね。心美気に入ったんだここ?」

服を脱ぎながら心美に聞いてみる。

心美「うん。山賊の隠し湯みたいな感じで凄くいいと思う。」

とてもうれしそうにしているので私もなんだか凄く良い温泉に見えてくる。
でもなんとなく何が言いたいかはわかるけど山賊はこの村にいないんじゃないかな、とツッコミたくなったけど気持ちはわかるのでスルーしておく。

確かにこんな廃墟寸前の建物内にある手作り感溢れる温泉はこれはこれで良い。
床のタイルと浴槽だけは妙にちゃんとしているけれど。

瑠衣「シャワー1つしかないけどやたらでかいし出がいいからとりあえず一緒に2~3人は使えるかな?」

言われていたとおり真水が出る温水シャワーが一つにその下に同じく温水が出る蛇口が一つついているだけだった。
ただ、一般家庭についているものよりも一回り多く高い位置にセットすると数人が同時に使えるぐらいの性能があった。

8336bd66e0379bb43312e10851e44c1f_t.jpeg 



「流石に同時に全員は使えないね。私はシャワーだけ浴びて先に温泉入るわ」
瑠衣「ですね。私もそうします。」
佐伯「では私も」

先に浴場に入った三人がシャワーを全開にして体をざっと手で洗い流していた。
三人とも凄くスタイルが良いのでなんだかとてもエッチな光景だった。
ちなみに偶然だがバストサイズに恵まれた三人と恵まれなかった二人で分かれている。
格差社会が生まれている。お風呂カーストである。

バストサイズ控えめ仲間の心美はと言うと「うぉー」とか「ふひー」とか独り言をつぶやきながらはしゃいでいた。どうやらこの格差社会に気づいていないようだった。

私が勝手に、無駄に傷ついたようだった。
誰にも知られること無く、1人で、意味も無く。

少しして瑠衣と舞さん、佐伯さんがシャワーを止め浴槽内に移動していく。
入れ替わりで私と心美がシャワーを浴びる。
浴槽組の三人は何やら歓声のようなため息のような脱力したような声を出している。

明日香「心美、じゃあとりあえず私達は先に洗っちゃお」

三人が気を使ってくれたのだ。特に断る理由も無いので素直に二人並んで洗い場に腰掛ける。
100均あたりで売ってそうなプラスティックのお風呂椅子が3つほど並んでいる。
というか椅子はみっつあるのになんでシャワーと蛇口は一つずつしかないんだろう。

明日香「これ大きいの一つじゃなくて3つぐらいに分けてくれればいいのにね」

心美に話しかける。マイシャンプーハットの下から見えた心美の顔はそうだね、と言っていた。
無口なので表情が見えないと困ったりする。目が大きく表情の動きが大きいので無口でも何が言いたいのかわかるので普段は問題なかったりするが表情が見えにくいと困ったりする。


???「あら、いくつか追加してもいいんですよ。皆様が費用を出してくれればですけど。」


入り口の方から声が聞こえたので見てみるとバスでガイドをしていた町田さんだった。
脱衣スペースの横からいたずらっぽく笑いかけていた。
シャワーの音で扉の開閉音が聞こえなかったのだろう。気づかなかった。

みんなでこんばんは、と挨拶をする。
少し後、服を脱ぎ終わった町田さんが洗い場の方にやってきて言う。

町田「私も何度も追加してって言ったんだけどね。一度作ったものとかに手を加えるの嫌がるのよ古田さん。費用がどうのとかスペースがどうのとかでずっと却下されてるのよね。」

申し訳なさそうに少しだけ毒を含みながら町田さんが説明しつつシャワーで簡単に体を流す。
慣れているのか当然のようにそのまま浴槽に入って行った。

瑠衣「でも驚きました。結構立派なんですねこの浴槽。」

私もそう思う。思ったよりずっと良いものだった。浴槽は。

町田「ありがとう。この浴場元々「新生ホテル」にあったものなの。他の湯船というか石造りのお風呂はいろいろな問題で移築できなかったんだけどこれだけは解体出来たから。そのまま持ってきたんです。」

なるほど。妙に出来のいい床の敷石とかヒノキらしき浴槽は元々あのホテルのものだったのか。
というか今ホテルの名前を知った。新生ホテルって言うんだ。

町田「よく見ると私達が作ったところはすぐわかるよね。すだれとかないよね本当。でもビニールとかいろいろ試したんだけど景観とかカビとかいろいろありまして。」

ふう、と一息ついて町田さんが続ける。

町田「ま、結論としてはお金がもっとあればシャワーは何本もついてたってことかな。」

自嘲気味に笑う。

もしかして資金繰りに困ってたりするのだろうか?
それは流石に聞けないけれどいい機会だしいろいろこの村の事聞いてみるのもいいかもしれない。

髪も体も洗い終わったので瑠衣と入れ替わりで浴槽に入る。
温泉独特の風情ある臭いと絶妙なお湯の温度で私もマヌケな声を出してしまった。




関連記事


コメント

非公開コメント

No title

普通にかわいい
ほのぼのしてたら費用を~でイラッとしてあ、これ新生村だって思い出した
記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。 Copyright (C) 2010 - 2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.