新生村 ~その13 お風呂タイム 後編~ - アナ速 ~FF14ダメ!ゼッタイ!~
2017/08/03

新生村 ~その13 お風呂タイム 後編~

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そういえば新生教の人とじっくり話したことはまだ無い気がする。
いい機会だから町田さんにいろいろ聞いてみようと思った。
いろいろ聞きたいけれど何から聞こう。



瑠衣「新生教って貧乏なんですか?」


直球だった。豪速球だった。あまりの豪速球すぎる質問に浴場内が静まりかえる。
ただ町田さんは怒ったりせずに面白そうに笑った後に答えてくれる。

町田「そうね。正直言うと今も潤沢な資金があるとは言えないかもね。私が金庫番やってるわけじゃないからなんとなくそうかな、ぐらいだけどね。法人格買うのに結構お金使ったとか聞いたし。」

え?宗教法人ってお金で変えるの?と思い聞いてみる。

明日香「え?宗教法人ってお金で買えるんですか?」

町田「んー正確に言うとお金を出して登記か何かの代表を古田さんにしてもらったとか言ってたような。形的には元々あった「新生教」の代表が古田さんになっただけかな。名前だけ貰って中身が違うの。」

なるほど。わかったようでよくわからないようでわかった気がする。
佐伯さんが興味を持ったようで質問する。

佐伯「この村と同じ名前なのは偶然なんですか?それとも必然ですか?」

町田さんが答える。

町田「もちろん偶然じゃないわよ。税金とかが優遇されるから宗教法人になろう、って話しをしてたの。それで偶然見つけたのがこの村と同じ名前の「新生教」。しかもほとんど実態の無い休眠団体だったから譲ってもらえたの。つまり私たちにとって新生村が先で新生教が後ね。」


町田さんは年長者らしい落ち着いた話し方をする。
舞さんや佐伯さんは少し年上のお姉さんといった感じだが町田さんは「お母さん」の方が近いかもしれない。35歳かもしかしたらアラフォーなのかもしれない。

失礼だから聞かないけれど。

あと何を聞こう。いっぱいある気がするけどとりあえずは……

明日香「この村って普通の村民は何人ぐらい住んでいらっしゃるんですか?」

瑠衣と新生ホテルに行った時に話した松井さんに聞きそびれた事だった。

町田「んー10人もいないかな。実際に住んでて新生教関係無い人は。」

予想以上に少なかった。新生教が移り住んで来なければ本当に廃村になっていたのかもしれない。
佐伯さんが続けて質問する。

佐伯「新生教のイデオロギーを先程少し古田P/Dからお聞きしましたがいわゆる共産主義に凄く似ていると感じたのですが間違いでしょうか?」

……まずい何言ってるかわからない。井出コオロギ?虫?
間違いなく私が居眠りしている間に食堂で話されたことだろう。
再び居眠りの代償が大きいことを思い知らされる。

町田「そうですね。共に働き各人が与えられた役割をしっかりと果たす。その結果集団全体を成功へと導くと言う意味で似ているかもしれません。」

難しい話のようなので1人離れて潜水したりして遊んでいる心美の方に逃げる事にする。
さり気なくかつ大胆に離れようとした時佐伯さんがドキリとする鋭い声で質問する。

佐伯「それならやはり能力が劣るもの、集団行動が出来ない人間は排除しなくては成立しませんよね?かつてのスターリンのように粛清したりするんですか?」

佐伯さんの優しい表情が消え今は鋭い目つきになっている。
どうしたんだろうなんだか少し攻撃的な気がする。
とは言え原因となったコオロギの話を聞いていないので私にはさっぱり理由がわからなかった。


そんな佐伯さんの質問に町田さんは動じた様子も見せずに答える。

町田「否定しないわ。生産性が低い人間。他の人間と同じ行動が出来ない人間は共同で作業する以上1人だけじゃなくてそのグループ全体に悪影響をあたえるの。四人で作業をしていて1人の作業が遅いと残り三人に迷惑をかけてしまう。集団の利益を考えると時には残酷な決断をしなくてはいけないの。ここに来る時にもう見たでしょう?」


町田さんが少しだけ悲しそうな笑顔を見せる。
というか空気が最悪だ!心美だけは潜水中なので気づいていないようだが他の皆は気まずさを感じているだろう。

すると舞さんが大げさに笑って言う。

「千佳それぐらいにしときなって。困らせちゃダメダメ!誰も好き好んで誰かを除け者にしたりはしないでしょ。そうですよね町田さん?」

町田さんも元の穏やかな笑顔に戻る。

町田「そうね。皆が仲良くやっていければそれが一番素適なのは間違いないわ。」

町田さんが話した後沈黙が訪れる。さっきよりは緊張がほぐれた気がする。

ぷはー、と潜水していた心美が水上に出てくる。
ん?何この沈黙?まぁいいか、みたいな顔をしてまた潜った。

ってかなんで潜水してるのこの子。
でもそんな心美のマイペースっぷりが羨ましかった。


ガササ・・・ガサ


会話が止まった沈黙の中だから聞こえたのかもしれない。
外から草をかき分けるような音が聞こえた。
風が吹いて鳴るような音ではない。何か大きな生き物がかき分けたようなはっきりとした草がかき分けられ折れるような音だった。

瑠衣「誰!?」

瑠衣が外に向かって叫ぶ。


ガササササ・・・バキメキ・・・ザッザッツ


何かが慌てて草をかき分けて地面を踏み鳴らして去っていく音が聞こえた。
瑠衣が追いかけるつもりなのか外に出ようとする。
え?ちょっと待った!

明日香「瑠衣!全裸!服服!!」

男女の区別なく全裸で公共の場を走り回っていいわけがない。
タオルは持っているがそれだけでは隠せるのはほんの一部だろう。

瑠衣「ちっ……覗きか?」

瑠衣は追撃を諦めたようで浴槽に戻る。

町田「狸とか鹿とか出るからそっちかも」



え。野生動物いるんだ。そりゃいるか。
でもあの音は……そう人間が何人か動いたような音に聞こえたけど。
町田さんが続ける。

町田「あ、そうそう21時以降は外出禁止だけれどその前でも暗くなったら明かり無しに動き回っては駄目よ。町と違って少し道から外れたら本当の意味で真っ暗なんだから。」


そういえば街灯とか無かった気がする。
となるとだ。さっきの音が人間だとしたらそんな暗い中何処に行くと言うのだろう?

ふと疑問を感じるが横で心美が「水死体」とか言いながら浴槽に浮かんでいるのを見てどうでもよくなってしまう。

いやいやお風呂で水死ってどんな人なのさ。
心臓発作起こしたお爺ちゃんとかか。

その後温泉に満足した人から1人また1人と部屋に戻っていった。
心美が完全に温泉を気に入ったようで名残惜しそうな顔をしていたが

「また後で入れるからとりあえず戻ろ?」


と説得して連れ出した。

一時間後また心美に付き合うのもいいかもしれない。
すごくいい笑顔の心美と共に私たちは最後に浴場を出た。








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コメント

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No title

心美はかわいいなあ!

テンパードっぽいの増えてきて草花

No title

カルトくせえ・・・
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