新生村 ~その3 村民との邂逅~ - アナ速 ~DQⅩ初心者応援ブログ!~
2017/04/14

新生村 ~その3 村民との邂逅~

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「着いたよ。なんか思ったより荷物重いかも。( ´oωo` )」


妙にはりきっている心美は当日の行動も早かった。
まだ待ち合わせ時刻まで20分ほど時間があるのだが遅刻したような気分になってしまう。

とは言え私もあと数分で到着する。
まだまだ朝は寒いが少しずつ暖かくなってきているように思える。
駅のロータリーに入り待ち合わせのベンチのあたりを見てみると

「うぉ!」っと思わず変な声をあげてしまう。

ショルダーバッグ、セカンドバッグ、そして旅行用のカートを地面に置いて
疲れ切っている心美がそこにいた。

「……おはよう。これ、なんか妙に多くない?」

私の荷物は父親から借りたアウトドア用リュック1つとポーチ1つ程度だ。
見た感じ私の倍ぐらいある。

「そうかな?一週間分の荷物だとこれぐらいになると思うけど」

いやいや。同じ時間軸なんだからそんなわけない。

「ごめんちょっと中身見てもいい?」

好奇心と絶対余計なもの持ってきている!という確信もあり心美に聞いてみる。

「いいよ。はい。」と手のひらでどうぞ、と自分の荷物を差し出す。


……なるほど心美の言っていることはある意味本当だった。
ブラシ、化粧品、ドライヤーから枕にパジャマ、着替えもおそらくは毎日変えることを前提に揃っていて
なんだかよくわからない道具箱のようなもの、お菓子にマヨネーズに塩コショウに醤油、
懐中電灯にも充電器に暇つぶし用のトランプまで入っている。

「枕だけはちょっと邪魔かと思ったんだけど私枕変わると寝れないタイプだから。」

思い出した。修学旅行の時もヨーロッパでも行くの?ってぐらい一人だけ重装備だった。
ま、まぁ確かに必要と言えば必要だしいいかな?と強引に納得することにする。
すると荷物を漁る私の後ろから聞き慣れた声が聞こえてくる。

「なにこれ。新生村って日本だよね?実は海外にあるの?」

振り向くと瑠衣が若干驚愕の表情を浮かべて心美の大荷物を見ていた。
こっちはすくな!トートバック1つかよ!と逆の意味でツッコんでしまう。

「すくな!それだけ?」と思ったことが口に出てしまう。

瑠衣は不思議そうに返事をする。

「ん?うん。一週間分ならこんなもんでしょ?換えの下着とシャツとバスタオルとか。
あと細かいのはこのコートのポケット多いからあちこちにつっこんでる。
それにコンビニは無くてもお店ぐらい向こうでもあるでしょ多分。なくても死にはしないって。」

と、大げさだなぁと言いたげに笑い出す。
なるほど。合理的でなんでもシンプルにやるのが好きな瑠衣らしいと思った。
案外荷物の総量自体は私とそこまで変わらないのかもしれない。
よく見るとパンパンに膨らんでいるしかなり圧縮して入れているのかもしれない。

「じゃあ揃ったし移動しておこっか。六番乗り場であってるよね?」

うん、と心美が返事をする。瑠衣は当然のように心美のバッグ2つを持っている。
心美も自らの非力さを家からの道中で自覚したのかありがとう、と素直に預けている。

集合場所のターミナルにはすでにそれらしき人たちが揃っていた。
20~40代らしき人が多いだろうか?私達と同年代と言うよりは少し上の年齢の人が多い気がする。
軽く会釈をして空いてる空間に落ち着く。

・・・するとおそらくは新生村の関係者らしき人たちが参加者と話しているのを見つける。
一人は白い髪をした40歳前後の男性。
もう一人は30歳ぐらいで見た感じ室伏さんと同じく新生村関係者のようだ。

予定時間になるとやはり新生村の関係者だったらしく男性が声を張り上げて話し出す。

「はい。私先導役を務めさせていただく室伏ともうします。
それではこれから新生村に出発しますので参加者の方は名前を私に告げてバスに乗り込んでください!
トランク等大きい荷物がある方はこちらに入庫してください!」


感じのいい笑顔で室伏さんが参加者に告げる。
私はリュックを入れて、心美は全部かな?
瑠衣はどうするんだろ?と見ていると躊躇なく車体下の収納に入れていた。

「さ、乗ろう!」と瑠衣が言うので後に続く。

「こんばんは。あなたたちは三人かしら?」と女性の添乗員の人に聞かれる。

はい、そうです、と答えると

「定員の半分ぐらいだから適当に4つ席使っていいわよ。回転させると四人席になるから」

感じのいい女性だ。言われたとおり四人席に改造?してそれを三人で使う。
若干席数が少なめで広々とした作りに見える。元は観光バスだったのだろうか?
心美が車体下の収納に入れずにいたショルダーバッグを1つ持ってきているのでそれを空いた席におく。

「なんかいいね!旅行って感じがする!」

心美は一時期疲れていたが再びテンションが上がっているようだ。
私たちは隣の老人夫婦と軽く会釈をかわしあーだこーだと他愛のない話をしていたのだが


事件は一時間後のインターチェンジで起こった。

事件、と言うにはあまりにもありふれた出来事。
休憩の15分過ぎても戻らない人がいる、ただそれだけだった。
隣の老夫婦が見当たらないのでおそらくその2人。
「あ~あのひともか」と言っている声が聞こえたのでまだ他にもいそうだ。

このありふれた出来事を事件、に変化させたのは室伏さんの決断があまりにも異常だったからだ。


「時間です。出しましょう。」


……運転手にそう言っているのが運転手に近い位置に座っている私にも聞こえた。
今出しましょうと言わなかっただろうか?

すると運転席からガコンとギアチェンジする音が聞こえてバスが発進する!
私は慌てて室伏さんに言う。

「あ、すいません!隣の人が戻ってないみたいです!」

多分気づいていないのだろうと。だが室伏さんの返答は意外なものだった。

「はい、わかっています。」

……どういう意味だろう?他の人も異常に気づいたようで室伏さんの方を見ている。
すると視線に気づいたのか室伏さんが機械的な表情で私たちに告げる。


「私は皆様と友好的な関係を気づきたいと思っています。ただし例外があります。それは集団行動を乱す行為です!
私は何度も15分休憩と言いました!絶対に遅れないでくださいともいいました!
冗談だと思われた方もいましたが置いていくともはっきり申し上げました!」

……中途半端な敬語が逆に怖い。室伏さんは思い出したように再び笑顔を浮かべて続ける。

「いいですが1人がルールを破る、しっかり予習復習をしないことで全員に迷惑をかけるんです!
私は確かに今少し酷いことをしました!彼らを待たずにバスを発車させました!
ですが彼らを待つことでより大勢の人間に迷惑がかかるんです!」

熱意のこもった演説に皆聞き入っている。おそらく感じていることは私と同じではないか。
この人、怖い。何を言っているのだろう、と。

「ご安心ください。今のパーキングから駅までバスが出ています。問題無く帰れますよ。
では、お騒がせしました。あと1時間半ほどで新生村に到着です。」


と言って室伏さんは話を終える。

だが流石にじゃあ気を取り直してなんか話そっか!となるわけがない。
バスの中がざわついているところを見るに私達以外の参加者も同じ気持ちのようだ。
瑠衣が不機嫌そうな顔で言う。

「安いものと中国産には気をつけろって母さんよく言うけどそのとおりかもね。」

と警戒感を隠さない表情で室伏さんの方を見る。

「そういえば書いてあったよ。なんか規律と事前学習を重んじる意識の高さが求められる村だって。」

心美が答える。

……まぁでも一応従業員兼お客さんのような立場なのだから遅れた老夫婦が悪いのだろうか?
そういうものなの?数分の遅れが置き去りにされるほどなのだろうか。
わからない。私がまだ子供だから?でもこんなの見たこと無いよ……

「ま、なんか厳しそうだね。私達も気をつけよ!」

と空元気は2人にはバレバレだろうけどあえて明るく取り繕って言ってはおく。


天気は快晴、窓から吹き込む風は春の臭いがする。
だが私はそんな良いお天気とは真逆の憂鬱な不安感に支配されていた。

今思えばあの時帰るべきだったのだ。


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コメント

非公開コメント

(´・ω・`)と、とうとう初の脱落者がでてしまったーー(出発直後)

邂逅編でこれなら侵攻編はどうなってしまうんでしょうね!

Re: タイトルなし

> 邂逅編でこれなら侵攻編はどうなってしまうんでしょうね!
むしろ抑え気味に書いてるはずなんですよね。
実際は罵倒されまくってハラスメントで通報されて上でキックされますから。
ただ黙って締め出すなんて優しすぎて苦情が来るレベル。

イベント飛ばさなかったのか…

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Re: タイトルなし

> 店員って定員のことですかね
証拠隠滅済。ふふふ・・・
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